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住まいの防犯HOUSE SECURITY

住まいの防犯 安全対策その4

近年の治安の悪化


 治安が悪化しているかどうかを示す指標として、法律に触れた犯罪の認知件数や検挙率がよく用いられます。そこで、これらの指標を使って近年の犯罪被害の実態を見てみたいと思います。

 まず、刑法犯の総数(交通法令違反を除く)ですが、戦後大きく変わらなかった認知件数は平成に入ってから急激に増加し始め、平成14年には戦後最多を記録するに至っています。
その後、大きく減少する傾向にあり、最近は数年前のピーク時に比べて大幅に少なくなっています。
 続いて、我々の生活のもっとも身近な犯罪の1つである侵入盗被害ですが、戸建住宅における侵入盗の被害認知件数も平成15年をピークにした後減少傾向に転じています。

 もう少しばかり長い目で見る必要があるとは思いますが、近年の治安情勢は回復傾向にあるといえそうです。
 一方で、平成17年に内閣府によって実施された「社会意識に関する世論調査」で、日本で悪い方向に向かっている分野(複数回答)として「治安」を挙げた人が過去最高の47.9%に達して、「景気」(38.5%)を抜き初めてトップになっているように、人々が犯罪不安を感じる度合い(これを体感治安と呼びます)は、実際の被害数の増減とは裏腹に高まっているのです。
 これらの事実から、犯罪被害件数を減らすという視点だけでなく、体感的な治安を回復するという視点での防犯対策の推進が、今後必要といえるでしょう。








面格子の長所・短所


 面格子は、取り付けることができる窓が腰高の引き違い窓・内倒し窓・上下スライド式の窓・FIX窓などに限定されており、すべての窓に取り付けることはできないという欠点があります。
 侵入しやすい掃き出し窓や、戸建住宅でよく用いられる外開き系の窓、出窓には取り付けられないのです。

 また、面格子の多くはアルミ製で、それほど強度がありません。
 大きな力を掛ければ破壊することが可能なのです。
 さらに、取り付けビスが外部にむき出しになっているケースも多く、時間を掛ければ大きな音を立てることなく取り外せてしまいます。

 前項でご紹介したCP部品のように、ある一定の強度を確保したような商品も開発されていますが、多くの面格子には先に挙げたような欠点があるので、面格子に強度があると思い込んで窓を開けたまま外出するような使い方は危険です。

 ただし、ここで挙げた欠点は、その気になれば壊したり外したりすることができるというレベルの話で、捕まるリスクを最優先に考える侵入盗にとっては、侵入に手間が掛かる面格子の存在は疎ましいものに映り、そのリスクを上回るベネフィット(利益)がない以上あえて狙うことはしないと考えられます。
 前項でご紹介したシャッターと同様、「防御」する機能の限界を認識した上で、狙われにくくなる「抑止」効果に主眼を置いて面格子の選択をすることをお勧めします。


お金を掛けずにできる防犯対策


 平成16年の警察庁発表データによると、戸建住宅における侵入盗被害の約4割は「鍵の締め忘れ」を原因にしています。どれだけピッキングに強い鍵を設置しても、どれだけ破られにくい窓ガラスにしたとしても、鍵を締め忘れてしまっては何の役にも立ちません。
 また、ポストに溜まった郵便物や新聞などの状態、干したままになっている洗濯物の様子から留守であることを悟られるケースも少なくありません。

 つまり、防犯対策は建築や設備といったハードの対応だけでなく、住まい手の防犯意識というソフトな対応も必要不可欠なのです。さらに、侵入盗の多くが「人に見られる」ことを嫌っているように、犯罪抑止には地域の見守りや声掛けといった、地域ぐるみでの対応が有効であることは言うまでもありません。

 このようなソフトな対策は、労力が掛かるもののお金が掛からないという特徴があります。中には習慣にしてしまえば、それほどの手間と感じないものもあります。
 以下に、お金を掛けずにできる防犯対策をいくつか紹介しますので、できることから始めてみてはいかがでしょうか。

●植え込みを刈って視線が通るようにする
●夜間であっても門灯や玄関灯などの明かりを灯しておく
●郵便物を溜め込まないようにする
●長期間の留守のときには新聞を止めておく
●洗濯物を周囲から見えるところへ干さない
●ちょっとした外出であってもしっかりと鍵を締める
●侵入経路に植木鉢を置くなどして簡単に出入りできないようにする
●夜間などに地域の人といっしょに防犯パトロールをする
●日頃から声掛け・挨拶を行う 等




    

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